調剤薬局で処方される薬の費用を節約する3つのポイントを元製薬メーカー社員が教えます。
処方される薬代は薬局の場所、処方せんの受付時間、薬の自己管理の3つのポイントで節約可能
製薬メーカーの営業職だったので、毎日のように診察室と調剤薬局に出入りしていました。
現在は患者として毎月メンタルクリニックに通院しています。
これまでの経験と、薬学と関連法規制の知識をもとに解説します。
定期的に医療機関を受診している人、通院している人は、この記事を読むと治療費の負担を軽くできます。
※とはいえ「風邪で高熱が出た」「腹痛と吐気で食事ができない」などの急性期の症状で受診したようなときは、最寄りの医療機関と門前の調剤薬局を利用することをおすすめします。
1.調剤薬局は自分の都合で選ぶ
薬局の受付や看板にも「全国どこの処方せんも受け付けます」と書いてありますよね。患者は調剤薬局を選べます。
クリニックの受付で紹介された最寄りの薬局(門前調剤といいます)ではなく、あなたにとって都合のいい薬局を探しましょう
便利な薬局を探すにはEPARKくすりの窓口が便利です。
これから紹介するポイントを検索条件にして、最寄りの薬局を探すことができます。
さらに処方箋をスマホで送信しておくと待ち時間ゼロで薬を受け取れます。風邪や流感が流行っている季節に他の患者さんと接触せずにすみます。
クレジットカード支払いができる
クレジットカードで支払えば、単純に支払額の1~2%分の還元をうけられます。
私がはいつもリクルートカードで支払って、1.2%還元を受けています。
クリニックに近い小さな調剤薬局でも、お薬代をクレジットカード支払いできる店が増えています。
病院の近くの薬局や、チェーン展開してたくさんグループ薬局がある場合もクレジット支払いokのところが多いです。
まずは、いつも使っている薬局で「クレジットカードで支払えますか?」と聞いてみて、ダメならEPARKくすりの窓口などで検索してみましょう。
ポイントがつくドラッグストアチェーンの処方せん窓口
マツキヨなどのポイント制度があるドラッグストアチェーンの中にも、調剤薬局(処方箋を受け付けて医療用医薬品を販売できる窓口)を併設しているところがあります。
ドラッグストア併設の処方せん窓口を利用すると、クレカ支払いでポイントも獲得できます。
処方せん窓口ではクレジットカード支払いができて、しかもマツキヨポイントが貯まります。
待ち時間には日用品の買い物もできて、その代金はクレジットカードで支払って、マツキヨポイントとJREポイントの両方が貯められます。
病院、自宅、会社、近くて通いやすい調剤薬局
処方せんには有効期限があり「発行日をふくめて4日」と短いです。
しかも土日祝日関係なく、4日を過ぎると処方箋は無効になります。薬局から診療した医師へ問い合わせをしてくれますが、ほとんどは再発行のためもう一度診察を受け、処方せん発行手数料を請求されます。
いくら「全国どこの処方せんでも受付可能」とはいえ、4日以内に受け取れなければ本末転倒です。
クリニックの目の前の薬局は「近い」という点では最強です。
ほかにも自宅、会社、よく通る経路から近い薬局をえらんでおくことで「有効期限4日」でも安心です。
●処方せんの有効期限は発行日をふくめて4日間
遅れると再発行手数料がかかるor再受診が必要。
薬局はコロコロ変えない、1つにまとめる
「かかりつけ薬局」とまではいかずとも、同じ薬局へ通いましょう。
お薬手帳を持参して、同じ薬局に6か月以内にかからないと負担額が増えてしまいます。
この記事を読んで、あなたにピッタリの薬局を見つけてください。そしてできるだけ同じ薬局へかかり続けるほうがお得になります。
2.処方せんの受付時間をコントロールする
クリニックに時間外加算や夜間・休日加算があるように、薬局にも時間外の加算があります。
病院の待ち時間が長くて夜遅くなってしまったような時は、
処方せんをFAXやネットで送信しておいて追加料金のかからない時間に薬局へ受け取りに行きましょう。
平日は午前8時から午後6時までに
一般的な薬局の、目安の時間です。薬局毎に時間外加算がつく時間がちがうので、薬剤師に直接たずねたり窓口に掲示してある算定表を確認してください。
例えば、薬局の開局時間が午前9時であれば、9時以降になります。先述のマツキヨは9時~19時に受付すれば追加費用なしでした。
土曜日は13時までに
こちらも薬局の開局時間から、昼13時までに受付をすると加算されません。
日曜日、祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)はさける
やむを得ない場合を除いて、日曜日、祝日、年末年始12/29から1/3の調剤薬局の利用はさけましょう。
24時間営業、ドライブスルー調剤は便利だけど利用時間に注意
テレビで紹介されたのですが、新宿歌舞伎町には夜のお仕事の方に人気の「夜の調剤薬局」があるそうです。
早朝や夜間にも、急な体調不良時にさっと薬が受け取れるのは大変ありがたいのですが費用の面ではおすすめしません。
夜間・休日加算という項目で、平日の朝8時より前と夜19時よりあと、土曜日の13時以降、日曜日、祝日、年末年始は追加の費用がかかります。
こうした受付時間による費用の違いを調べるには、明細書で調剤基本料の点数を見たり、薬剤師に尋ねたり、窓口の掲示を確認しましょう。
おすすめはスマホで処方箋の写真を送っておいて、追加費用のいらない時間帯に受取りに行く方法です。待ち時間もへらせます。
参考サイト EPARKくすりの窓口
処方せんのスマホ送信を利用すると、料金の安い時間をねらって薬局に行けるだけでなく待ち時間がなくなります。
薬局の待合室で、病院からずっと同じ人と一緒で気まずくなったりしません。
寒い季節には風邪やインフルエンザの感染をふせげますし、花粉症の方は春先の外出時間を極力短くできますよ。
※調剤薬局ごとの詳細な加算条件は、薬局所在地の地方厚生局が定期的にホームページで公開・更新している施設基準の届け出状況からも確認できます。
3.薬の管理をする
国の医療費削減のため、もっとも制度改革の影響が大きいのが薬剤管理に関わる費用です。
お薬手帳を持参する
処方された薬の名前などを記録しておく「お薬手帳」を持参して、同じ薬局(6カ月以内)を利用した場合は負担額が減ります。
従来の紙のお薬手帳(にシールで記録を追加する)のほかに、スマホアプリでお薬管理ができる薬局もあるので、手軽に持ち歩くことができますよ。
お薬手帳を携帯していると処方せん調剤の料金が安くなるだけでなく、事故にあったり災害が発生した際などの非常時にあなた自身の服薬履歴を知らせたり既往歴の確認に役立ってくれます。
ジェネリック医薬品にする
調剤薬局の窓口でも「有効成分が同じで値段が安いお薬」があれば変更しますか?と声をかけられますね。
ジェネリック医薬品の用意がある場合は、単純に薬そのものが安いものに変更できるのでぜひ活用しましょう。
値段以外のメリットとして、有効成分以外の「添加物」や「薬の形」を工夫している製品も増えていて、苦くないコーティング、小さな錠剤、水なしで飲めるなどの良いことがありますよ。
余った薬(残薬)がある場合は調整してもらう
飲み忘れがあった場合など、処方してもらった薬が手元に余っていることがあります。
この余った薬を持参したり、残薬数をメモしておいて薬局で伝えると、処方された分から差し引いて調節してくれます。
あまっていた分の薬の代金を支払わずに済みます。
番外編:調剤手数料は処方せん1枚毎にかかる
ここまで読んでいただいた方は、あなたにピッタリ都合のよい調剤薬局を見定めて、定期的に活用されることでしょう。
もうひとつ、複数の医療機関へ通院している方へヒントです。
病気ごとに、いろんな病院を受診している人はできるだけ1つの病院(1人の医師)にまとめて診療してもらうほうが、処方せんが1枚になって薬剤費用が削減できます。
1つのクリニックに定期通院している人は、一時的な体調不良(風邪、炎症性腸疾患、扁桃腺炎)や季節性の疾患(花粉症、梅雨時期の片頭痛)の治療薬も一緒に処方してもらう(1枚の処方せんに書いてもらう)ことで調剤手数料が1回分になります。
これは患者のわがままのように見えますが、実際は国の医療費削減の政策にもかなう考え方です。
病院のかかり方に関する内容なので、別記事であらためて整理したいと思います。
知識は武器。
知っていると無駄な費用負担を避けることができます。
もらった調剤明細書をよく読んで調べてみる。
薬局の待合室などにサラっと掲示してある資料を読んでみる。
賢い患者になって「治療費の削減」を実現しましょう。